こんにちは、熊本事務所のN.Sです。
近年、AI技術の進化が目覚しいですね。
最近、業務の中でAmazon Qに触れる機会があったので、
思い付きで、ブログ記事をAmazon Qに作成させたらどうなるか?ちょっと試してみました。
Amazon Qとは?
Amazon Qについてざっくり説明すると、
AWSが開発、提供している企業向けの生成AIアシスタントサービスで、
開発者の日常業務を効率化することができるというものです。
説明はほどほどに、さっそくAmazon Qの導入からブログ記事を作成させるまで、
今回やってみたことを記載します。
※本記事自体は私が書いたものです。
Amazon Qに作成してもらった記事は、後半のページ内に埋め込んでいます。
Amazon Q CLIのインストール
まず最初に、Amazon Q CLIをインストールしました。
今回はMacを使用したので、Amazon Q公式サイトより、Amazon Q.dmgファイルをダウンロードして
Amazon Qアプリケーションをインストールしました。
インストール後、Amazon Qアプリを起動したら、画面に表示される指示に従って設定を完了します。
AWS Builder IDの作成
設定完了後は、サインインの画面が表示されるため、AWS Builder IDでサインインします。
Amazon Qを使用するにはAWS Builder IDが必要なため、持っていない人はここでBuilder IDを作成します。
AWS Builder IDは無料で作成できます。
オプトアウトの設定
Amazon Qとのやり取りに使用したデータが、AWSサービスの学習に利用されたくない場合は、
オプトアウト(拒否)の設定をします。
以下は、Amazon Qアプリの画面です。(赤枠で示した部分)

ここまでで、Amazon Qを使用する準備が一通り整いました。
作業ディレクトリとAIプロンプトの作成
次に、任意の場所に作業ディレクトリを作成し、
そのディレクトリの中にAIに指示する内容をまとめたREADME.mdファイルを置きます。
今回作成した指示は以下の通りです。
# ブログ記事の自動作成
## 前提条件
あなたは、Amazon Qの活用に長けたAIエンジニアです。
また、IT系企業に所属する1社員でもあります。
## 実施概要
自身が所属する会社のホームページに記載するブログ記事として、Amazon Qに関する記事を作成してください。
ブログ記事のタイトルは、内容に合ったものにしてください。
## ブログ記事の内容
- **ブログ記事のターゲット**: Amazon Qの初学者を対象とします。
- **ブログ記事の本文**: Amazon Qの概要説明から、Amazon Q CLIの導入手順と、簡単な使用例までをまとめてください。
2025/06/20直近で、Amazon Qに関する最新の話題があれば、それに触れた内容も簡単に含めてください。
- **ブログ記事の文字数**: 1500文字数程度に抑えたバージョンと、4000文字数程度の詳細バージョンの2つの記事を作成してください。
## 作成したブログ記事の出力について
- ブログ記事は、HTML形式で出力してください。
- 出力したファイルは、必ず次に示すディレクトリ配下に作成してください。
- ブログ記事出力ファイル・ディレクトリの例
```
└── ./YYYYMMDD-hhmm/ *実行日時
├── 簡易バージョン.html
└── 詳細バージョン.html
```
## MUST 制約条件
- インターネット上に公開されている、他の方が書かれた記事の盗用は禁止します。
Amazon Qの起動
次に、ターミナル上で作業ディレクトリに移動した後、qコマンドの実行でAmazon Qを起動します。
以下、起動した直後の画面。

Amazon Qにプロジェクトの内容を解釈させる
Amazon Qを起動したら、自然言語での入力を待ち受けている状態になっているので、
以下のプロンプト(指示)を入力し、確定します。
このプロジェクトを説明してください
すると、現在の作業ディレクトリ内に置いているREADME.mdを自動で読み込んで、
Amazon Qが解釈した内容と共に、次にどうするかの確認メッセージが画面に表示されました。
このプロジェクトは「**ブログ記事の自動作成**」プロジェクトで、以下の内容になっています:
### プロジェクトの目的
IT系企業のホームページ用に、Amazon Qに関するブログ記事を作成する
### 執筆者の設定
• Amazon Qの活用に長けたAIエンジニア
• IT系企業の1社員という立場
### 記事の詳細仕様
対象読者: Amazon Q初学者
記事内容:
• Amazon Qの概要説明
• Amazon Q CLIの導入手順
• 簡単な使用例
• 2025年6月20日時点での最新情報(該当する場合)
記事バリエーション:
1. 簡易バージョン: 約1500文字
2. 詳細バージョン: 約4000文字
### 出力仕様
• **形式**: HTML
• **保存場所**: ./YYYYMMDD-hhmm/ディレクトリ(実行日時)
• **ファイル名**: 簡易バージョン.html、詳細バージョン.html
### 制約
• 他者記事の盗用は厳禁
このプロジェクトでブログ記事の作成を開始しますか?
Amazon Qに作業の開始を指示する
Amazon Qが解釈した内容について、特に間違いはなさそうなので、
以下のプロンプトを入力し、確定します。
プロジェクトの内容に沿って、ブログ記事を作成してください。
すると、以下のメッセージが表示された後、ディレクトリの作成から記事の作成まで、
Amazon Qによる作業が始まりました。
ブログ記事の作成を開始いたします。まず、実行日時に基づいたディレクトリを作成し、Amazon Qに関する2つのバージョンの記事を作成します。
※Amazon Qがツールを使用して操作を行う際には、以下のような確認が発生するので、適宜許可します。
Allow this action? Use 't' to trust (always allow) this tool for the session. [y/n/t]:
時間は測定していなかったですが、大体数分で簡易、詳細バージョンの両方の記事が作成されました。
詳細バージョンは結構長いので、以下に簡易バージョンの記事のみをそのまま埋め込みました。
Amazon Qが作成したブログ記事の確認
作成する記事の内容については、Amazon Qに関する内容とする大まかな指示しか与えてませんでしたが、
なかなかどうして、それっぽい感じの記事が作成されたのではないでしょうか?
作成された記事のレビュー
簡易バージョンの記事は、文章量も多くなく体裁がまとまっており、一見すると問題なさそうです。
しかし、細かく指示していなかった部分は、Q側で解釈された内容に偏っているようです。
例えば、「Amazon Q CLIの導入手順」の前提条件にて、AWSアカウントやIAM権限が必要と書かれていますが、
Amazon Q CLIに必要なのはAWS Builder IDで、AWSアカウントは無くてもAmazon Q CLI自体は使用可能です。
Amazon Q CLIからAWSサービスにアクセスさせたり、AWSウェブサイト上のAmazon Qを使用する場合は、
AWSアカウント等が必要になります。(この辺ちょっとややこしいかも)
そもそも指示が曖昧な部分があった
導入手順についても、対象とする環境やインストール方法など特に細かな指示は出していなかったので、
複数の方法がある中で、この内容とした理由は何か?
今回は行っていませんが、記事が作成された直後にAmazon Qに聞いてみると、この内容とした理由や
記事作成の工程について何か分かったかもしれません。
また、出力された内容を見ながら追加で指示を出したりして、出力内容を修正させることも出来そうです。
Amazon Qを試したみた感想
Amazon Qに限らず、生成AIはどの程度のことができるのか?
今までは存在は知っていても、実際には試してみたことはありませんでした。
今回は、本当に出来るのかな?と、半信半疑で簡単に指示しただけでも、
そこそこのいい感じのものが出力されたことで、大変驚きました。
指示が曖昧な部分もあったため細かい粗はありましたが、
それでも、もし同じものを人間が一から作成した場合は、一体どれくらい時間がかかっていたでしょうか?
まさに劇的!
求めているものが得られるように、細かい指示や制約条件等をしっかりと与えれば、
Amazon Qに作成してもらった記事のタイトル「AIアシスタントで開発効率を劇的に向上させる方法」と
あるように、劇的な開発効率の向上が望めそうです。
まとめ
今回は本当にちょっとしたことを試しただけだったのですが、
その結果を見ただけでも、Amazon Qを始め、生成AIを活用したサービスを利用していくことは、
既にシステム開発者にとって必須のスキルであると確信しました。
(既に活用している人から見たら、今更感はありそうですが..。)
Amazon Q Developerは無料利用枠がありますので、気軽に試すことができます。
皆さんもどうぞ、お試しあれ。